2011/08/27

Mantis Visionとは?

デモ機獲得の喜びが大き過ぎてしまい、いきなりデータを取り始めてしまいましたが、そもそもこの3Dスキャナについてのお話をまったくしていませんでした。。。

Mantis Vision。これは実際には製品名ではなく会社名になります。
イスラエルの会社です。(先月訪問してきました!)

ちなみにMantisってご存知ですか? そう、カマキリです。

彼らの3Dスキャナ(製品名:F5)は、ハンドヘルド(手持ち)タイプになっていまして、スキャンする時にはバッテリー駆動で電源供給も不要。動きたい放題です。

測定原理は、プロジェクタから目に見えない赤外線レーザによる特殊なパターン画像を照射して、それをCCDカメラで撮影した動画データから3D点群データを生成します。

ただし、スキャン時にはあくまでもCCDで動画を撮影するところまで。
その動画をコンピュータに転送して、後処理にて3D点群へと変換します。
つまり、スキャン自体は、一般的なハンディカムによる動画撮影とほとんど同じです。(見た目はかなり違いますけど。。。)
撮影後、コンピュータで行う動画編集の代わりに、点群化の処理を行う。と言うイメージでしょうか。

F5が他の3Dスキャナと違うところは、その測定深度。通常はおよそ30-40cmくらいなので、スキャナと対象物の距離をそのくらいに保つ必要があります。
しかし、このF5は、50cmから4mの間にあるものをスキャンすることができるんです!
遠くなるほど範囲も広くなるので、大きなものが比較的簡単にスキャンできるんですね。

3Dスキャナのマーケットを見てみると、数cmから1mくらいの対象物をスキャンできるものはたくさんあります。ただ、これらは対象物が1mを超えたあたりから急に作業が大変になってきます。
一方で、ロングレンジスキャナと言って、数十mから数百mの範囲を測定できる、土木測量などに用いられる3Dスキャナもありますが、これはあまり細かいところまでデータ化することはできません。

このように、現在の3Dスキャナのラインナップでは、2-3mから10mくらいの対象物を、手軽にかつそれなりに細かくスキャンできる製品というのがないのです。そのレンジにフィットするのが、このF5になります。

そしてもう1つの特徴は、測定スピード。F5は、1秒間に10ショットというスピードでデータを取得します。
カメラの動きにデータが追従するので、対象物に何か特殊なマーカーをつけなくても、各ショットのデータを位置合わせして、大きな1つのモデルデータにすることができます。

この一見単純な2つの特徴が、今までにない、新しい3Dスキャニングを体験させてくれるのです。

今回は文章中心で書いてみましたが、やっぱり画像がいっぱいあったほうが楽しいですよね。
それらはまた引き続きアップデートしていきたいと思います。お楽しみに!

Mantis Visionについては下記サイトをどうぞ。英語ですが動画もご覧いただけます。