2011/09/28

選択のお話

なんだかすっかり秋ですね。気持ちのいい季節です。
椅子に座っているよりも外に出かけたい!という気持ちを抑えて、今日は初心に返って選択のお話を。
Rapidform製品の選択機能を紹介します!


選択。
基本操作ゆえに奥深く、ソフトウェアの使い勝手を良くも悪くもするユーザーインタフェースではないかと思うのですが、
まずは簡単におさらいを。
Rapidform のマウス操作は、基本的に以下のようになっています。

左ボタン
 クリック : 単一要素の選択
 ドラッグ : 複数要素の選択

中ボタン
 クリック : カメラ操作モードの切り替え
 ホイール : カメラのズームイン・ズームアウト

右ボタン
 クリック : コンテキストメニュー表示
 ドラッグ : カメラ操作

CtrlShift などのファンクションキーを使えば、追加選択や選択解除などを行うことができます。
このあたりの基本操作は画面右に表示されるマウスヘルプにアイコンで表示されています。

この操作だけでも沢山お話があるのですが、今回は右ボタンのコンテキストメニューにフォーカスします。
(そのうち、選択を極める!というシリーズも書きたいですね、、、)

さてさて、コンテキストメニューは様々なソフトウェアでカーソル位置を変更せずに
その場に応じて適したコマンドをすばやく実行するために使われるメニューですが
Rapidform も例に漏れず様々な用途で使用されます。
とりあえず、メッシュモードでメッシュの上にカーソルを移動して右ボタンをクリックしてみましょう。

普段は画面最下部で切り替える選択フィルタがここから切り替えられるようになっているのをご存知ですか?
さらに、すべてを選択したり、すべての選択を解除したり、選択範囲へのズームインもここから実行することができます。

赤く表示されている境界を選択してから右ボタンをクリックすると、今度は次のように表示が変わります。

メニューにあるように、 境界のポリフェースを選択 を実行すると境界上のポリフェースを一回で選択することができます。
もし 境界のポリ頂点を選択 を選択すれば、ポリ頂点に選択を切り替えることになります。
さらに右ボタンをクリックすると、今の選択をさらに拡大選択したり、縮小するための 拡大/縮小 コマンドが追加表示されます。

コンテキストメニューを使えば簡単に選択の切り替えや、拡大、縮小ができるというわけです。
いたってシンプルな機能なのですが、ノイズや不要箇所を削除したい場合などによく使う便利な機能です。
反転コマンドは現在の選択と非選択を入れ替えるコマンドですが、これも知っておくと便利です。

これらのメニューは実はメインメニューの選択メニューに入っています。
隅のほうにあるメニューですし、見落としがちなこちらのメニューには
さらに細かな条件付き選択を行うなかなか便利なコマンドが用意されています。

例えば 拡大 コマンド。
コンテキストメニューではすばやく1深度分だけ選択を拡大することができますが、
こちらのコマンドではさらに一度にどれくらい拡大させるのか拡大の広がりを 深度 として指定することができます。

ポリゴンエッジを表示(F8)してみると、選択されていた場所からポリフェース4つ分選択が広がったことが分かります。

コンテキストメニューはカーソルの位置やモード、実行中のコマンドによって表示される内容が切り替わります。
素早く作業できるように豊富に機能を盛り込んでいますので、宝探し気分であちこち右クリックしてみてください。
きっと、おっ、と思える便利なコマンドが見つかるはず :-)


ポリゴンメッシュの境界表示
穴が開いた箇所など、ポリゴンメッシュの境界は複雑な形状では探しにくいものです。
ディスプレイタブで境界にチェックすることで、画面上でも境界箇所を分かりやすく表示します。

2011/09/22

Rapidform Solution Conference 2011 開催!

本日、韓国ソウルにて、Rapidform Solution Conference 2011が開催されます。

世界各国からのユーザ様によるご講演をはじめ、Rapidformの最新情報を提供させていただきます。

今回の日本代表は、新潟原動機株式会社の福岡様です!
ロングレンジスキャナで取得した点群データをRapidform XORを用いてご活用いただいた事例を
ご発表いただく予定です。

従来、製品もののCAD化がXORのメイン用途でしたが、ロングレンジスキャナとのコラボレーションは今後当社としても力を入れていきたい分野です。そこで早くも日本より具体的な事例を発表していただけることはとてもすばらしいことです。

アジェンダは、当Blogサイトの上部よりご確認いただけます。

また、韓国語ではございますが、下記サイトにてストリーミング配信も行う予定です。

本日22日、13時30分開始となります。

是非ストリーミングサイトを覗いてみてください!

「Rapidform Solution Conference 2011 実況サイト」
http://www.rapidform.com/media/htm/solution/2011/onair.html


2011/09/12

Mantis Visionを持ってお散歩 Part II ♪

さて、少し前のお話しになりますが、データが仕上がったので投稿させていただきます。

今までは3Dスキャンしたデータを「点群」のままご覧いただいていました。

今回は「メッシュ」まで作成した結果をお見せしたいと思います。
メッシュというのは、隣り合う点群同士を、三角形になるように線で結んだデータのことです。

点群は、空間上に点が並んでいるだけなので、人が見れば形を認識できるのですが、
コンピュータの中ではまったく形としては成り立っていません。

それをメッシュ化することで、コンピュータとしても形状の認識ができるようになるんです。
つまり、スキャンデータに対して、面や体積という概念が適用できるようになります。

最近よく利用されるSTLというのは、このメッシュを表現したファイル形式の1つなのです。

メッシュ化を行うのはもちろん、Rapidformです!
点群に発生していた細かなノイズも、メッシュ化をするときに綺麗に除去することで、
対象物の形状を高精度に再現します。

例えばこのゴリラ君。屋外です。しかもこの力強い黒さ!
3Dスキャニングを少しでもご存知の方なら「絶対無理」というであろう条件が揃い踏みですね。


それがMantis VisionとRapidformの組み合わせでこの通りの結果です。
ゴリラ君の隆々とした筋肉だけでなく、皮膚の力強い凹凸も比較的再現できました。



お次はその隣に寝転がっていたラッコさんです。

こちらは、こんな感じになりました。
さすがに直射日光が強く、また手足のところが隠れて見えないため、スキャンデータとしては十分とは言えませんでしたが、Rapidformで穴埋め(データがないところを周りの形状から判断して補完する処理)などを行って仕上げました。
このデータは穴がないので、RP(Rapid Prototyping)装置などでそのまま3Dプリントすることができます。

あとは地面に半分隠れたカバさんも(写真忘れてました。。。)。


まだ終わりません。次は(また罰が当たりそうではありますが ^^; )、このようなものをスキャンさせていただきました。

これもメッシュ化してみました。鳥居です。





そして中のご本堂。



灯篭などはとてもよく再現できたと思います。



拡大してみましょう。ここはちょっと下方向からのスキャンが足りなかったですね。


文字もわかります。

模様もわかります。実は点群の状態ですと、ノイズもあるためはっきりと見えてこないのですが、メッシュ化することでこのような結果が得られます。


ハードウェアとソフトウェアの見事なコラボレーション!

ちなみにRapidformの処理は、
①グローバルベストフィット
②ボリューム合成
③リラップ(もしくはグローバルリメッシュ)
でした♪



Mantis Visionの欠点!?

久しぶりの投稿になってしまいました、Mantis Visionです。

ほぼ毎日のペースで様々なところにデモをさせていただいているのですが、あまりにも手軽にスキャンができてしまうため、頼まれてないものまで撮影したりして、処理するデータがたくさんになってしまいました。。。

(許可いただいたものについては)、追って公開していきたいと思います。

さて、今回はちょっとした失敗談(?)を。
先週、某大学さんで開かれた会合に参加してまいりました。

そこにたまたまMantis Visionを持って来ておりまして、会合終了後、興味深いオブジェがあったのでスキャンをしたわけです。こんな感じで。

何か面白そうなものを見つけたら、スキャナをカバンからスッと取り出して、撮影しておけばいいんです。とっても簡単です。

3Dスキャニングの"STYLE"を変えてくれるのが、このMantis Visionなんです。これって重要。

そして、いつも通り順調にぐるっと撮影を始めたわけですが、、、



突然「うわっ」という声とともに、



ばしゃん!

という水音が。。。



そうなんです。写真にあるように下半分がお池になっているんですね。

ついついオブジェのほうに気を取られてしまいまして、足元をまったく見ていませんでした。
幸いそれほど深くはなかったのですが、片足が完全に水没しております。。。

今回撮影したデータはこのとおり。

半分だけ。。。後ろから前に回り込んだあたりで、、、どぼん!

撮影したデータはムービー(AVIファイル)なので、実際には動画で見れるのですが、
その時の動きをそのまま残していました。。。

もちろん、3Dデータとしては使い物になりませんでしたが ^^;

黙ってスキャンをしてしまった罰とでも言うのでしょうか。大学様、申し訳ありませんでした。

でも今回はこの「ネタ」を少しでも早く投稿したくて、このデータを先に処理してもらっちゃいました!
もう現場でも、データよりこっちのことをBlogに書かなくちゃって思い、水没した足をしっかり写真撮ったりしてvv

ちなみにMantis Visionの撮影風景にいつも登場する彼、実は本社のCTO(開発責任者)なんです。
Rapidformの生みの親でございます。

CTO本人が一番3Dスキャニングが好きなんですね~

今回も体を張ってスキャナ本体を守ってくれましたよ!

教訓 「撮影するときにはきちんと周囲の状況を確認してから始めましょう。」




2011/09/08

ようこそ Rapidform Japan へ!

だいぶ秋らしい気候になってきましたね。
とはいえ来週からまた残暑のようですが、、、

今日は Rapidform Japan オフィスへみなさんをご招待します!
Rapidform Japan は地下鉄半蔵門駅から徒歩1分の場所にあります。
すぐ近くなのですが、なぜか分かりにくい。

ですので、今日は周辺も紹介しながら散策気分でゆっくりご案内します :-)


さて。
まずは地下鉄を降りて、5番出口へ向かいましょう。
半蔵門駅は長く、通りをいくつも越えて出口がありますので、1番に出てしまうと大変です。
5番出口。
しっかりチェックしてください。

ちなみに、5番出口に出るには1号車両が便利です。
1号車両に乗って、5番出口。
1号で5番。
いち ご、と覚えるといいかもしれません。

短い階段を上ったら半蔵門駅地上に出ます。

駅を出るとそこは一番町交差点
出口を背に、正面が皇居、左が九段下、右が麹町へ向かっています。

すぐ左にはデリ、カフェ、バーの BON BONNE (ボン・ボンヌ)があります。
喫煙席がOKであれば2階で食事もできます。
1階はスツール席。
ランチはお弁当も充実しているので、買って公園もオススメです。

九段下方向に信号を渡るとドイツのベビーグッズ店 Sterntaler (シェテルンターラー) があります。
赤ちゃん用のやわらかい素材のウェアや、かわいいネームプレートなど、贈り物に喜ばれそうです。


その数メートル先には明治18年から続く老舗商店 相模屋平助商店 が。
日本酒、焼酎からワイン、ビールまでこだわりのお酒を取り扱っています。
またタバコの種類も豊富で、おしゃれなケースに入った葉巻もあり、
カウンターではタバコとお酒に軽食を楽しむこともできます。

一度交差点に戻って、今度は麹町方向に向かってみましょう。

目に付くのは赤と黒が印象的なホテル ホテルモントレ半蔵門 です。
海外や遠方からのお客様にお勧めしています。
なんでも朝食バイキングがおいしいとか。
ホテルスタッフさんの ブログ では周辺見所なども紹介されているようです。


さらに進むとイタリアンカフェ&バー HEARTS (ハーツ)があります。
ランチは日替わりもあり、女性に人気。
夜はスクリーンで映画も上映されていて、
カウンターでもテーブルでもおいしい料理とお酒が楽しめます。
オススメはルッコラと生ハムのピザとスパークリングワイン!

HEARTS のお隣はおでんと串焼きの よし田
ランチは カツ丼、親子丼、おでん定食など。
しらす丼もおいしいです。

皇居方向に進むとすぐにお花屋さん BELLE FLEUR (ベル・フルール)。
すましたコリーが目印です。
会社に置くお花やサボテンなど、ちょくちょく利用させていただいてます。:-)
角から2つ目、グレーのビルに鏡張りのドア。
こちらが一番町IIビル
Rapidform Japan はここに入っています。

着いてしまいましたね、、、

ちょっと通り越して、この先も少し見てみましょうか。

一番町IIビルの先にある目に付く丸いコーヒーの看板は UCC Cafe Plaza (UCCカフェプラザ)。
サイフォンで一杯ずつ入れた薫り高いコーヒーを楽しめます。
中は喫煙ブースと禁煙ブースに別れていて、お昼は愛煙者にうれしいスペース。
オススメは朝。
数種類のモーニングがありますが、ワッフルとフルーツなんてヘルシーなセットも。
コーヒーは追加でミルクをオーダーすればストレートが苦手な方でもカフェオレにできますよ。

UCC の向かいにはなんともう一軒カフェが。
こちらは言わずと知れた CAFFE VELOCE (カフェ ベローチェ)。
180円でコーヒーがいただけます。
冬はココアもいいですよ。

派手な看板のお店は中華料理店 龐ちゃん酒菜 (読み方不明)。
刀削麺が有名で、ばんちゃん酒菜と同じお店でしょうか、、、
刀削麻辣麺(とうしょうまーらーめん)は時々思い出して食べたくなる味。

そうそう、お車でお越しの場合は駐車場が必要ですよね。
龐ちゃん酒菜の先にコインパーキング Times24 (タイムズ24)がありますのでご利用ください。



では、IIビルまで戻りましょう。

そうです、駅を出てから正面皇居方向に向かって2つ目のグレーの壁に鏡のドア。
これが一番町IIビル

どっしりした鏡のドアを開けて、さらに木枠のドアを抜けるとエレベーターホールです。
一台のみのエレベータですので、上りボタンを押してしばらくお待ちください。
エレベーターに乗ったら、5階 のボタンを。
天井に鏡がありますので、見上げれば身だしなみチェックもできてしまいます。



到着! ようこそ、Rapidform Japan へ :-)




おさらい 地図はクリックすると別ウィンドウで拡大表示します
  • A : Rapidform Japan オフィス
  • START : 地下鉄 半蔵門線 5番出口
  • B : デリ、カフェ、バー ボン・ボンヌ
  • C : シェテルンターラー
  • D : 相模屋平助商店
  • E : ホテルモントレ半蔵門
  • F : カフェ&バー HEARTS
  • F : おでん よし田
  • G : 生花 ベル・フルール
  • H: カフェ UCCカフェプラザ
  • I : カフェ ベローチェ
  • J : 中華料理店 龐ちゃん酒菜
  • K : 駐車スペース タイムズ24

2011/09/02

NextEngineを使ってみよう その1の3

Kuska Cup の作成も終盤。
前回までのおさらいはこちらから。
その1の1 : NextEngine を使って形状をスキャン
その1の2 : RapidWorks でスキャンデータを修正、合成


さて今回は出来上がったデータをビジュアル化。
使ったソフトはフリーのCGソフトウェア Blender 2.5
フリーでありながらモデリング、アニメーション、レンダリングに加え、物理シミュレーションもできる驚きのソフトウェアです。
非公式ですがチュートリアルなどを 和訳しているサイト もあり、解説を読むと分かりますが
インタフェースを日本語にすることも可能だそうです。
今回はこれを使って、ネットで使い方を調べながら試行錯誤でトライしてみました(笑)。

まずは前回作成したポリゴンデータを OBJ で出力したファイルを
File > Import > Wavefront (.obj) で Blender に読み込みます。


画面右の Property (プロパティ)パネルでモデルの色を変更して、 Wood (木目) テクスチャを追加。
床用に Add > Mesh > Plane (平面)で板を一枚作成。


Add > Lamp (ランプ)で適当にライトを3個くらい足して
さらに World (環境)に Ambient Occulusion (アンビエントオクルージョン)があったのでこれも追加。
詳しい説明はネットなどで調べると出てきますので省きますが('-';A)、
光が入り込みにくい箇所に汚しをつけるというか暗くする効果で
環境光ぽい様子を簡単に表現してくれます。

あとは F12 を押してレンダリングすれば完成!
画像を jpg などのフォーマットで保存します。

今回のプロジェクトはここまでで完了。
思いの他3ページに渡ってしまいましたが、如何でしたでしょうか。
ちょっと広く浅くになってしまいましたが。。。(゚ー゚;A
次回は1つの処理について掘り下げた企画を考えます!


フリーソフトウェア
今回は Blender というフリーソフトを使いましたが、今はフリーでも高度なソフトウェアが沢山ありますので
ポリゴン処理 (その1の2) まで出来てしまえばお好みのソフトウェアで処理することができます。
Pixologic社の sculptris だと UI はこんな感じ。
こちらは名前のとおりスカルプト(押したり引いたり粘土細工のような形状作成)と、3Dペイントができます。
出力は OBJ か Zbrush に限定されているようですが、マテリアルのプリセットもあって便利です。